小児矯正のメリット・デメリットは?治療ごとの特徴や後悔を避けるコツを紹介
「小児矯正はした方がいい?」「将来的なメリットはある?」などの疑問を抱いたことはありませんか?
小児矯正は歯列を整えるだけではなく、顎骨のバランスを調整したり歯列の幅を拡大したりする効果があります。
その他にも、将来的な抜歯の回避やコンプレックスの解消などのさまざまなメリットがあるため、特徴を理解して治療を受けましょう。
この記事では、小児矯正のメリット・デメリットや、治療で後悔しないための工夫を紹介します。
お子さんの矯正治療を検討している方、小児矯正のメリットを知りたい方は参考にしてください。
小児矯正のメリット

小児矯正には、以下のメリットがあります。
- 虫歯や歯周病を予防しやすい状態になる
- 抜歯をしなくて済む可能性が高まる
- 大人になってからの矯正治療の負担が軽くなる
- 口呼吸を改善し鼻呼吸を促す
- コンプレックスの改善を目指せる
- 歯科医院で口内の状態を定期的にチェックしてもらえる
- 大人の矯正治療よりも痛みが少ない
それぞれのメリットについて紹介します。
虫歯や歯周病を予防しやすい状態になる
小児矯正によって歯列が整うと歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防につながります。
特に叢生(乱杭歯)は、歯が重なり合ったりねじれたりしている状態であるため、隙間に歯ブラシが届きにくくなり虫歯や歯周病のリスクを高めます。
取り外しが可能な矯正装置を使用している場合は、矯正治療中も歯磨きをしやすいです。
抜歯をしなくて済む可能性が高まる
歯が生えるスペースがないことで引き起こされる歯列の乱れは、大人になってから矯正する場合に抜歯が必要になるケースは少なくありません。
小児矯正では永久歯が生えるためのスペースを早いうちから確保するため、将来的に抜歯をしなくて済む可能性が高まります。
成長期に歯列の幅を拡大する治療を行うことで、永久歯がきれいに並んで生えるための手助けをします。
大人になってからの矯正治療の負担が軽くなる
小児矯正で顎のバランスや歯列の幅を整えることで、大人になってから矯正治療を受ける際に負担が軽くなる可能性があります。
例えば、骨格が原因で生じる出っ歯や受け口などのトラブルは、大人になってから治療を受ける際、場合によっては外科手術が必要になるケースがあります。
小児矯正では、顎が成長するのを促したり抑制したりすることで上下の顎のバランスを整えるため、将来的に外科手術を行わなくても骨格による不正咬合を治療しやすいです。
口呼吸を改善し鼻呼吸を促す
小児矯正は口呼吸の改善に働きかけるため、口臭や感染症の予防に有効です。
口呼吸には多くのデメリットがあり、口内が乾燥することで細菌やウイルスが体内に侵入しやすくなったり、細菌が繁殖して気になる口臭の原因になったりする可能性があります。
一方で鼻呼吸には、空気中の細菌やウイルスなどを取り除いて体内に取り込むフィルターの役割や、喉・口内の乾燥を防ぐ役割があります。
口呼吸は早いうちから改善できるのが理想で、小児矯正ではさまざまな矯正装置を使用して鼻呼吸を促す治療が可能です。
コンプレックスの改善を目指せる
小児矯正は、お口周りのコンプレックスの改善に働きかけます。
歯列の乱れや不正咬合があると、見た目に自信が持てなかったり、発音に影響して人と話すことに抵抗を感じたりしやすいです。
笑顔や喋り方にコンプレックスを抱えるお子さんの場合、小児矯正でこれらのトラブルが解決できる可能性があります。
歯科医院で口内の状態を定期的にチェックしてもらえる
小児矯正では定期的な通院が必要になるため、受診時にチェックをしてもらうと口内環境の維持につながります。
ブラッシング指導やフッ素塗布などのメンテナンスを受けることで、虫歯のリスクが高まる矯正期間中も清潔な状態を保ちやすいです。
矯正装置の不具合を早めに発見する役割もあるため、歯科医師の指示に従い通院頻度を守りましょう。
大人の矯正治療よりも痛みが少ない
個人差はありますが、小児矯正は大人の矯正治療よりも痛みを感じにくいとされています。
大人になってから受ける矯正治療は、歯に圧力がかかることで痛む場合があり、治療を初めて間もないあいだや、矯正装置の段階を進める際は特に痛みを感じやすいです。
小児矯正でも痛いケースはありますが、子どものうちは顎骨が柔らかく、歯が動きやすいため、比較的痛みが少ないのが特徴です。
小児矯正のデメリット

小児矯正はメリットが多い治療ですが、デメリットもあります。
- 子どもが治療を嫌がる可能性がある
- 治療中の歯磨きが難しい
- 場合によっては治療期間が長くなる
それぞれのデメリットについて解説します。
子どもが治療を嫌がる可能性がある
小児矯正では、矯正装置の見た目や装着時の違和感が原因で子どもが治療を嫌がる可能性があります。
矯正装置の種類によっては、自分で取り外しができないものや、1日10時間以上の装着が必要なものもあるため、慣れるまでは特に痛みや違和感を感じやすいです。
またワイヤー矯正のように、取り外しができず目立つ矯正装置を使用しているお子さんの場合は、お友達からの視線が気になるケースも少なくありません。
歯科医院自体が苦手な子どもも多いため、子どもが治療に前向きになれるように保護者の方の協力が必要です。
治療中の歯磨きが難しい
自分で取り外しができない矯正装置を使用している場合は、治療中の歯磨きが普段より難しいです。
歯に直接取り付ける矯正装置は、歯と装置の接着部分に歯垢が付着しやすくなるため、正しいブラッシング方法で磨かないと虫歯のリスクが高まります。
ただし、歯列が整うことで歯磨きがしやすくなるため、結果的には清潔に保ちやすい状態になります。
歯科医院ではブラッシング指導やフッ素塗布が受けられるため、虫歯を予防するためのケアを行いつつ、そのうえで定期的なメンテナンスが必要です。
場合によっては治療期間が長くなる
場合によっては、小児矯正だけでは治療が完了せずに長引く可能性があります。
小児矯正は1期治療と2期治療に分かれており、1期治療では主に顎骨のバランスを調整して永久歯が生える準備を整えることを目的としています。
そのため、歯のねじれやガタつきを改善する効果はあまりなく、2期治療でこれらの治療が必要になるケースは少なくありません。
また、症例や個人差によって治療の進み具合に差があるため、1期治療で必ず骨格の問題が改善できるとは言い切れません。
小児矯正を受けることで将来の矯正治療がスムーズに行える可能性が高まりますが、場合によっては継続的な治療が必要になることを理解しておきましょう。
小児矯正の種類ごとのメリット・デメリット

小児矯正は、矯正装置の種類によって大きく3つに分けられます。
- 可撤式矯正装置
- 固定式矯正装置
- 顎外固定装置
ここからは、小児矯正の種類ごとのメリット・デメリットを紹介します。
可撤式矯正装置
小児矯正で使用される可撤式矯正装置の種類とメリット・デメリットは以下の通りです。
| 装置の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ・拡大床 ・インビザライン・ファースト ・バイオネーター ・リップバンパー ・ムーシールド ・プレオルソ ・マイオブレース ・インビザライン | ・食事や歯磨きがしやすい。 ・自分で取り外しができる。 ・家のみの使用で効果を得られるものが多い。 ・歯科医院での診療時間が短い。 | ・使用時間が不足すると効果が弱くなる。 ・単体では治療が十分に行えない可能性がある。 ・紛失の恐れがある。 |
可撤式矯正装置は取り外しが可能な矯正装置で、マウスピース型のものやプレート型のものがあります。
自分で着脱が可能なため食事や歯磨きに影響しにくく、セルフケアがしやすいのが特徴です。
食事と歯磨き以外の時間は装着が必要なものもありますが、装置によっては就寝時間と自宅にいる時間だけの装着で問題ないものもあるため、学校で矯正装置をみられたくないお子さんも使用できます。
一方で、使用時間の不足や矯正装置の紛失が起こらないように保護者の方の管理が必要になる可能性があります。
固定式矯正装置
小児矯正で使用される固定式矯正装置の種類とメリット・デメリットは以下の通りです。
| 装置の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ・急速拡大装置 ・クワドヘリックス ・リンガルアーチ ・タングガード ・マルチブラケット装置 | ・装着時間の管理が必要ない。 ・治療が計画通りに進みやすい。 ・重度な歯列の乱れにも対応できる。 | ・矯正装置が目立ちやすい。 ・治療中の歯磨きが難しい。 ・食べ物に制限がかかる。 |
固定式矯正装置は、歯に矯正装置を直接取り付けて決まった方向に動かすため、治療が計画通りに進みやすいメリットがあります。
下顎前突(受け口)や交叉咬合(クロスバイト)のほか、歯がガチャガチャと乱れた状態の叢生(乱杭歯)など、さまざまな症例に対応可能です。
またタングガードには、舌で前歯を押す癖による歯列の乱れを予防する効果が期待できます。
ただし固定式矯正装置は目立ちやすい、虫歯のリスクが高まるなどのデメリットがあります。
また、極端に硬いものや粘着性のあるものなどは矯正装置の破損につながるため、お子さんが好きな食べ物を我慢しなければいけないケースもあるでしょう。
顎外固定装置
小児矯正で使用される顎外固定装置の種類とメリット・デメリットは以下の通りです。
| 装置の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ・上顎前方牽引装置 ・チンキャップ・ヘッドギア | ・成長の力を利用して顎のバランスを整えられる。 ・自分で取り外しができる。 ・成長に合わせて調整できる。 | ・骨の成長が止まった後は効果が表れにくい。 ・見た目や装着感に抵抗が生まれる可能性がある。 ・装着時間が確保しづらい。 |
顎外固定装置は、前方または後方に向かって顎に力をかけ、成長を促進・抑制して上下のバランスを整えます。
学校では取り外せるほか、成長に合わせて微調整できるのが特徴です。
しかし、インビザラインやワイヤー矯正が成人後も効果を発揮するのに対し、顎外固定装置は顎の成長が止まると効果が得られにくくなるため、適切なタイミングで治療を受ける必要があります。
また、習い事をしているお子さんの場合、帰宅時間が遅くなると装着時間が不足する可能性があるため注意しましょう。
小児矯正で「やらなきゃ良かった」と思うことはある?

小児矯正はメリットの多い治療ですが、以下の理由から「やらなきゃ良かった」と感じる場合があります。
- 不要な抜歯をされた
- 後戻りが起こった
- 歯並びが悪くなった
それぞれ詳しく解説します。
不要な抜歯をされた
小児矯正では、将来的に抜歯をしなくて済むための治療を行いますが、適切な治療をしたにもかかわらず歯を抜かれてしまうケースがあります。
お子さんに小児矯正を受けさせる方のなかには、子どものうちに歯列のスペースを確保して抜歯を避けることを目的としている方もいるでしょう。
その場合、抜歯をやむを得なくなった際に後悔する可能性があります。
小児矯正で抜歯が必要になるケースはゼロではありませんが、不要な抜歯を避けるためには、十分な説明を受けて納得したうえで治療を受けることが大切です。
後戻りが起こった
小児矯正を受けた後、保定をしっかり行わないと後戻りのリスクが高まります。
矯正治療で動かされた歯には元の位置に戻ろうとする力が働くため、状態を維持するための保定装置を一定期間装着する必要があります。
保定装置の装着を怠ることで元の歯並びに戻ってしまうと、頑張って続けてきた治療が無駄になったと感じる原因になるでしょう。
歯並びが悪くなった
小児矯正では、治療の途中で歯並びが悪くなる場合がありますが、一時的なものであれば治療が進むにつれて気にならなくなるでしょう。
ただし歯列の幅を拡大する治療の場合、幅を広げすぎることでかえって歯並びが悪くなる恐れがあります。
歯列の幅を広げる治療は、症例や年齢によっては不向きなケースもあるため、事前のカウンセリングで歯科医師との話し合いを十分に行うことが大切です。
小児矯正で後悔しないために

小児矯正で後悔を防ぐためには、以下の対策が大切です。
- 時間がかかる可能性を理解しておく
- お子さんの治療を積極的にサポートする
- 保定期間は歯科医師の指示をしっかり守る
それぞれの工夫について解説します。
時間がかかる可能性を理解しておく
小児矯正は計画通りに進まないケースもあるため、時間がかかる可能性をあらかじめ理解しておくことが大切です。
顎が成長する速度や永久歯が生えそろうまでの時間には個人差があります。
また、お子さんによっては痛みを感じやすい場合もあるため、弱い力で矯正治療を行うとなると治療期間が長引く原因になります。
想像よりも時間がかかったと感じないためには、場合によって長引く可能性も考慮しておきましょう。
お子さんの治療を積極的にサポートする
治療効果が不十分だと後悔につながるため、必要に応じて矯正装置の使用時間を管理し、お子さんの治療をサポートすることが大切です。
自己判断で矯正装置を外す時間を増やしたり、着け忘れが多かったりすると、効果が十分に得られない可能性があります。
お子さんだけでは治療の重要性を理解することが難しいケースもあるため、保護者の方が協力しながら一緒に治療を進める意識を持ちましょう。
保定期間は歯科医師の指示をしっかり守る
保定期間は小児矯正の大事な仕上げ作業であるため、リテーナー(保定装置)の使用や定期通院については歯科医師の指示に必ず従いましょう。
噛み合わせの調整やブラッシングのチェックのために通院が必要で、これを怠ると後戻りや歯列の乱れなど、トラブルのリスクが高まります。
定期通院の頻度は歯科医院やお子さんごとに異なるため、指示通りに受診することで後悔の回避につながるでしょう。
まとめ
小児矯正はメリットの多い治療ですが、デメリットもあるため、お子さんに合った方法や、本当に治療が必要かをよく検討する必要があります。
なかには矯正治療を必要としない子もいますが、歯科医師に骨格や歯列の状態を診てもらってから判断することをおすすめします。
むさしの矯正歯科医院は、東京都練馬区にある矯正治療専門の歯科医院です。
子どもから大人まで、幅広い年齢の方に対応した矯正治療を取り扱っております。
小児矯正を考えている方、お子さんの歯並びが気になる方は一度お気軽にご相談ください。